ジャガー・ルクルト。42年ぶりの里帰り。
2015.12.21

今日はとても嬉しいことがありました。

由利本荘市がご実家で、現在は横浜にお住まいの方が来訪されました。

お話を伺うと、42年前に当時のJIKODO(時幸堂)でお父さまがご購入なさった時計があるとのこと。保証書に当店の名前が書かれており、場所は当時と変わっているもののわざわざ探して来店いただたいとのことでした。

バッグから取り出されたボックスは、丁寧に保管されていたことが分かります。
とても40年以上前のものとは思えない綺麗な状態でした。

「ジャガー・ルクルト」

父も私も好きなスイスの名門時計。当時は大沢商会さんが輸入元でした。

箱から取り出された時計は、K18の無垢と分かる綺麗で上品なサイズのトノー型ケースのもの。まだまだヴィンテージウォッチに関しては勉強中とはいえ、今まで見たことのないタイプ。とても興味深いデザインです。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ジャガー・ルクルトといえばいわゆる自社一貫生産、通称マニュファクチュールで有名。

そして、腕時計のみならずわずか4℃の温度差があればほぼ永久に動くともいえる置き時計の「アトモス」が有名。そのアトモスの雰囲気を醸し出しているではありませんか。

この見解には、お持ちいただいたMさまもご納得のご様子。昨年亡くなられたお父さまの形見として、きちんとオーバーホールされベルトも新調。とてもとても42年前の時計とは思えない程度の良さとその上品な佇まいにうっとりしてしまいました。

そして嬉しかったのは、保証書もとても綺麗な状態で当時の時幸堂のロゴシールもくっきり。

「タイムファッションサロン 時幸堂」。うちの父の想いが込められたキャッチだなぁ…。

時を忘れ、Mさまと時計談義に花が咲きました。

先人たちのおかげで、長年時計店を続けさせていただけたからこその至福の時でした。

Mさま、横浜へ帰る電車の時間まで同じ時を過ごしていただきありがとうございました。
Mさまのお父さま、そしてうちの父、祖父、当時から今まで勤めてくれたスタッフのみなさん。良い時間を過ごせましたことに感謝致します。 こういう時間のために、良い時計を一つ一つ丁寧に販売されてきたんだなぁとしみじみ感じさせていただきました。

私も同じように次の世代のために何か残していきたいと改めて感じております。



一覧へ戻る

PAGE TOP