腕時計の天敵 ~意外に知らない磁気の怖さ~
2019.08.26 Watch

JIKODOでは、ほぼ毎日腕時計のメンテナンスでご来店いただくお客さまがいらっしゃいます。

電池交換依頼が一番多いのは間違いないのですが、当店の場合は「磁気抜き」のサービスも同時に行っております。

 

磁気ですから、磁力のあるもの例えば、「携帯電話」「スマホ」「パソコン」「磁気ネックレス」「磁気ブレスレット」「ハンドバッグの金具(マグネット式)」、「テレビ」、「スピーカー」などなど。

 

最近だとスマホやタブレットのケースに手帳型のものを使っている方も多いですが、マグネットの力を利用してるものがほとんど。無意識に外した腕時計をポンと上に乗せてる方、いらっしゃいませんか?

 

実際腕時計が磁気帯びするとどうなるのか。久々に私物の機械式(自動巻き)腕時計をチェックしてみました。

 

動画じゃないと分かりづらいのですが・・・(汗)。

 

いつの間にか磁気帯びしていたらしく、軽めではありますがコンパスの針が反応しました。

 

「タイムグラファー」と呼ばれる時計の計測器にかけてみます。

 

+16秒/日という精度です。この時計(ミナセ)的には許容範囲なのですが、以前計測した時は+1~4秒/日でしたのでこれは磁気帯びのため精度が落ちた可能性大です。

 

ここで磁気抜き器の登場です。以前は別のタイプ(丸いテーブル型)を使ってましたが、こちらの方がしっかり磁気抜きできるようです。

軽度の磁気帯びでしたので、スイッチを押しながら今回は一度だけ輪の中をくぐらせました。

 

するとどうでしょう・・・

 

 

お! 精度が確実に良くなりました。

以前計測した+1~4秒/日に戻りました。

 

 

このように、磁気を帯びると「脱進機」と呼ばれる赤丸の部分の金色の輪っか=「テンプ」を左右に回す「ヒゲゼンマイ」(ほぼ見えないと思いますが緑の矢印の指しているあたりに巻かれている細いゼンマイ)が磁気でくっつき易くなるため周期に影響を与え、結果精度が落ちるということになります。

これは脱進機のある機械式時計のみならず、クォーツ(電池)式のアナログ時計でもありえます。ステップモーターと呼ばれる動力源に磁気が影響を与えるためです。

電池交換で持ち込まれる腕時計の8割くらいはほぼ磁気帯びしていて、中にはガッツリ帯びていて検査で使うコンパスの針がグイグイ引っ張られるものもあります。

磁気を帯びると時計の精度に影響を与えるのはおわかりいただけたと思いますが、磁場に接触した時にピタッと時計が止まって、離れると動き出すという場合も考えられます。

ご自分の時計が電池交換したばかりなのに遅れるな、という方は磁気帯びの可能性が高いです。JIKODOにてお求めいただいた時計はいつでも無料で検査、磁気抜きを致しております。

 

他店品であっても検査は無料、磁気抜きは1,100円(10%税込)で行っております。また電池交換の際は交換代に含まれるので磁気抜き代としてはいただいておりません。

JIKODOの場合は、電池交換の際に裏ブタのパッキン交換、またはメンテナンス、またブレスレットタイプの時計は洗浄、ベルトのタイプに関わらずケースやガラスの汚れとりなども含めて行っております。

 

原則その場で対応しておりますが、作業をするのは店主自ら行っております。混み合っている場合はお待たせあるいはお預かりとなる可能性もございます。

 

お時間に余裕をもってお越しいただいた方が、慌てて対応する必要もなく洗浄などの時間も取れますのでご理解いただいた上ご依頼いただければ幸いです。

 

 



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